外国語を学習しているときに、母語の影響で誤用が起きることを「母語干渉」と言います。
一時帰国中の中国的弟弟と上海で会う約束をしているのですが、こんな部分がありまして。
「At present I do not know where I will live in 上海」
彼は武漢人なので上海には住んでいません。何故に「stay」ではなく「live」?前にも「live」を使っていて違和感を感じたことがあったので調べてみました。
理由はすぐ分かりました。中国語では「居住する」も「宿泊する」も同じ「住zhu4」。にゃるほど、住→liveって訳してるわけですな。「都会に住む」は「住在都市」だけど「友達の家に泊まる」も「住在朋友家」なんですよ。
あとおそらくこの文頭の「at present」は中国語の「現在」の直訳に違いない。興味深いなあ、母語干渉。こっちが中国語を勉強しはじめたら時々こういうことが分かったりするので楽しいです。
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日本語バージョンもあります。台湾人の子と日本語で話している時に「可愛いの猫」とか言ったりします。中国語の「可愛的猫」の「的」を全部「の」に置き換えてしまっているために起きる現象です。
これは逆に言うと、彼女が「の」を余計に入れてる部分で私が「的」をスキップしてしまう可能性があるという意味でもあるので、彼女の「の」を聞きながら、私は頭の中で「あ、中国語だとここに"的"が入るのかぁ」と、ふむふむと頷いている訳です。勉強になるわぁ。
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さらに、母語じゃないけど干渉、もあります。
中国語の語順は日本語と比べれば英語に近いです。
例えば、
I [am] a Japanese. = 我 [是] 日本人。
てな感じです。
ので、ついやってしまうんですよ。日本語→英語→中国語変換を。
My cats [are] very pretty. = 我的猫 [是] 非常可愛。
be動詞を「是」に機械的に置き換えてしまうことで失敗します。中国語で「主語+形容詞」の場合は「是」はいらないんです。でもほんとこれ、しょっちゅうやってしまう。気をつけないと。
これは私が英語を学習したことがあるために起こる干渉ですね。んで英語の方でも日本語の影響で妙な英語になってたりするんだろうなあ。ううむ。言葉は一対一対応にならないところが厄介で、また非常に面白いところです。